釣りの王子さま「第2話」の巻
居ないんです。あのおしゃべりな赤い花が・・・。居てくれるのが当たり前だと思いこんでいました。一人だったら、この星に居る意味が無い。一週間考え続けてそう気づきました。そんな訳なんです、今回の星めぐりは・・・
変身好きなおばさんの星
一言だけ挨拶してから、釣りキチさんたちの星に行こうと思って寄りました。
- 「あらまあ、忘れるもんですか。覚えてるわよ」。
- 「(別人?)・・・」、一度会った気がするんですが、全くの別の人のように見えました。
- 「何かあったのね、当てて見ましょうか・・・あれでしょう?」
- 「あれってなんですか?」、と王子さまは素直に聞いてみました。
- 「あれって、あれよ。若い子が悩むなんて、あれしかないわ。いい人知ってるわ、紹介するわね。ちょっと待って待って!もう一つ大事な話があるんだけど・・・」
王子さまは、頭を下げながら早足で歩き出しました。ただただ、あまりにも変身してしまった姿に、驚いたんです。
倒れる人の星
釣竿を手に、横たわっていました。「ウサギが飛んでる」、と言ったので、しっかりと生きているんだと分かりました。
- 「どうしたんですか?」、と聞いてみました。
- 「どうしたかだって!海を見れば解るだろう、ウサギだよ。飛んでいるんだ。ダメだ、私の人生終わった」
- 「飛ぶんですか?」飛んでるウサギは見たことないので、そう聞いてみました。
- 「何?ウサギも知らないのか、あの白波だ。ウサギにみえるだろ。あれが飛んでいると、全てが終わりなんだ」
そうなんだ、と王子さまは思いました。ダメな時は、こんな風にダメだー、と倒れてみる方法もあるんだと思いました。
悩む人の星
寝ているんだと思いました。でも、ちょっと違うみたいです。
- 「どうしたんですか?」、と聞いてみました。
- 「行くべきか、行かざるべきか、それが問題だァ」。とても真剣に考えているようでした。
- 「この天気図じゃ、だれだって悩むよな。もうちょっとこの高気圧が・・・。う~ん悩む?」
正直言って、何で悩んでいるのか、よく解りませんでした。難しい決断に迫られているのは、ひしひしと伝わってきました。
数を数える星
頭をボリボリと掻いてます。何かを真剣に数えています・・
- 「98、99・・・足らない、どうしても足らない。えい、一匹ぐらい誤魔化すかァ」
- 「何が足らないんですか?」、と王子さまは聞いて見ました。
- 「ワカサギの数だよ。何回数えても1匹足らないんだ」
- 「こんなに沢山居るのに、足らないんですか?」、ともう一度聞いてみました。
- 「いいか小僧、ワカサギ釣りでは束越えって言ってな、100尾越えると越えないでは大違いなんだゾ」
- 「気になっていたんですが、いいですか?」。王子さまは思い切って、頭の上に乗っている魚の事を伝えました。
- 「でかした、小僧!こんな所に居おったか。よし、これで束越えだー!」
そうなんだ、と王子さまは素直に思いました。数は大切でないと思っていた王子さまでしたが、数も大切で意味があるんだと思いました。そして「役に立てたんだ」と、嬉しくなりました。
あげる人の星
初めて会った時は挨拶をするもんだ、と言われた事を思いだした王子さま。大きな声で言ってみました。
- 「こんにちは!」
- 「こんちゃ、ですゥ」初めて聞くあいさつです。こんなのも、あるんだ。
- 「なんでハートなんですか?」、と気になるマークを聞いてみました。
- 「そっちかァ、あちゃー」「文字が気にならないかい?」。王子さまは小さく、うなずきました。
- 「いい子だ、この鯛もってけドロボー」「よかったよかった、これで今日も坊主だ」
ハートのマークの意味は、教えてもらえませんでした。また今度この星を訪れたとき、聞いてみようと思いました。
えらいこっちゃの星
あまりも嬉しそうなんで、王子さまは聞いてみました。
- 「何かいい事が、あったのですか?」
- 「あったかって?あったもあったの、ありやすんでゴザンス。聞きたいでゴザンスか?」
- 「・・・」王子さまは、黙っていました。
- 「バ・ラ・シ・たァー!聞きたい、もっと聞きたい?」
- 「・・・」もう、聞くしかないなと思いました。
- 「何をバラシタか言っちゃおうかな。言っちゃおう、しっかり聞いてね。バラシタのは尺越えの○×△だ、イヤー悔しいの悔しくないのって」。きっと悔しかったんだろうと思うのですが、なんだか楽しそうです。
- 「いやあー、釣りは最高だ。釣れて良し、バラして良しだ・・・おっと忘れていたで、ゴザンス」
ゴザンスの意味が、良くわかりませんでした。釣りを根っから楽しんでるいる人なんだ、と思いました。釣りをした事が一度もない王子さまです。しかし、いつかは「えらいこっちゃさん」みたいな釣り人になりたい。そう思いました。
王子さまも「おっと、忘れていた」で、気になっていた事を思い出しました。急に、いなくなった赤い花です。どこに行ったのだろう、何をしているんだろう、もう戻ってくれているかな。次々と赤い花の事が思い出され、頭が一杯になりました。
王子さまの決断
あと1つ勇気をもらえれば、きっと大丈夫だと思いました。初めの一歩は、いつだってドキドキです。一歩出さないことには、何も始まらないんだと考えながら、朝日が昇るのをじっと待っていました。
多くの釣りキチさんたちに会えた事。そして刻々と変わる景色を見ていたら、胸につかえていた物が、すーっと消えていくのが分かりました。「よし!」、そう決心しました。何を決心したのかって?それは、企業秘密です。王子さまにも、一つぐらい企業秘密があるんです。王子さまは「何があっても大丈夫」と、勇気百倍で自分の星に帰っていきました。
これで、釣りの王子さまの「第2話」は、おしまいです。ではでは、またいつか、どこかで・・・
先生、こんにちは!
いやぁ・・・ 第2話いいですねぇ!
完全に仕事に忙殺されて、煮詰まっていた所でした。
これを読んで、ちょっと元気が出てきました!
さて、もう少し頑張ります!
ふらいぼーいさんへ
こんにちは
いやぁ、嬉しいコメントありがとうございます。
もし、私のブログを読んで頂いて「ちょっと元気がでた」なら、
ああ、載せてよかった♪
このシリーズは、夢中で書いてしまうんですが、
いざ更新という時に、さてさてどうしよう、
UPか中止かァ、なんて思ってしまうシリーズです。
どこまで続くかわかりませんが、
書きたくなった時また書くかと言った気まぐれシリーズですw
コメントありがとうございました。
こんにちは!
『もう駄目だ、頭の中でウサギが飛んでる』と家で寝ているAPです。
うーん、どこかで見たことある人が、出ているような〜(笑)
面白いですね、釣りの王子様(^O^)
王子様ははたして、赤い花と再会できるのか?
次回が楽しみです!
さて、先生は企業秘密ができたようだし、釣一郎さんは明日ゲリラ戦、土曜日は観音崎のお祭りと各星の皆様の予定が決まったようなので、私も体調整えて、日曜日に備えます。
企業秘密は金曜日辺りに実行ですかね?
楽しみです。
厄除け呪いです!
汀、汀、汀、汀、汀
バナナ、バナナ、バナナ、バナナ、大吟醸さん!恵○寿様!
APさんへ
こんにちは
>面白いですね、釣りの王子様(^O^)
よかった、ほっとしましたw
釣りの王子は、赤い花に会えました♪
帰ったら居ました。
嬉しくなって、久しぶりに朝食をもりもり食べましたw
秘密の出撃ですが、もしかしたら明日(木)かも!?!?
いつもコメントありがとうございます♪
こんばんは。
いや~、お話がうまい!
いろいろな人と出会うことで、そして朝日を眺めながら前向きな気持ちになっていく・・・「銀河鉄道の夜」を思い出しました。
孤独で暗い生活、しかし銀河をめぐることで親友の死を乗り越えてなお最後に希望を取り戻す少年ジョバンニの片鱗を、私は王子様に感じました。
芋焼酎さんへ
こんばんは
いやいや、「銀河鉄道の夜」を思い出したなんて言われたら、
リンダ困っちゃうです♪
よく分からない宮沢賢治の話の中でも、特に分かりにくい銀河鉄道の夜。
何度も何度も読み直し、ようやく少し物語りの中に入り込み、
名作だなァと思いました。
星の王子さま&銀河鉄道の夜、似てないようでどこか似ているかもと、
芋焼酎さんのコメントを読んで、感じたしだいでゴザンス♪
※すいません、まだ星の王子さまⅡを引きずっています。
こんばんは!のりべんです。今日も電車の中より失礼します(^-^)
いやあ、一般の方からみると(笑)我々ってきっとこういう風に見えるんですよね。いったい何をやっているんだろう、と時々家内は思う様です(^_^;)。星の王子様からみると更にその世界観が加わってすぅーっと不思議な世界に引き込まれます!面白かったです!!
まだまだ続くみたいで嬉しいです♪続編楽しみにしております(^-^)
のりべんさんへ
こんばんは
天気の心配をしたり、朝も早くから出かけたり、
たかが一尾の魚を釣るために・・・
やっぱり、釣りに関心の無い人にとっては理解できない行動ですね。
同じ釣りキチだと、そうだ、そうだと理解できる世界です。
その気にならないと、書けない「釣りの王子さま」です。
赤い花(妻?)がらみの、いざこざもすっきりと解決しないと、
書けない「釣りの王子さま」です。
またいつになるか分かりませんが、よろしくお願いします♪
先生またまたこんばんは。
このシリーズ私も好きです♪
誰でも企業秘密。。。ありますよね!^^
次男さんが婚約!?
顔合わせ!?
このまえ娘さんが嫁がれて。。。
いいことは続くんですね♪
そんな中での釣りの王子様^^
なんだか癒されます。
気が向いた時でいいのでまた書いて下さいね。
私はファンです♪
せーじさんへ
こんばんは
気が向かないと、書けない内容です。
何話まで続くのか続かないのか、未定です。
書いているうちに、楽しくなってくるのは事実です。
自分で楽しんで書いちゃうかの物語です。
先生またまたおはようございます。
おぉー、第2話だぁ\(^o^)/
企業秘密???
まぁ色々ありますね。。。
しかし先生、なぜこんな面白い話が書けるのですか?
私も釣りの王子様のファンです!
次回作もお待ちさせて下さい(^^)v
Heavysizeさんへ
こんばんは
釣りの王子さま,私もファンなんです♪
どんな星に行くのか楽しみなんです。
「釣った魚を捨てる星」なんてものアリですねw
いつになるか分からない、気まぐれ物語ですので、
忘れた頃、また第3話を書くような気がします。