釣りの王子様「第7話」の巻
「釣りと私と、どっちが大事!」。目が覚めた途端、前置きもなく言われたので、王子様は少しどぎまぎしました。「どっちも、なんて答えはダメ」。比べられることではない、そう言いたかったのですが・・・「分かったわ、もういい!」と言われ、なんだかスッキリしないまま、旅立ちました。
先取りするおばさんの星
- 「ちょっと待っててね。この電話直ぐ終るから」、そう言われて王子様は待っていました。
- 「だから、苦難福門って言うでしょう。逃げちゃダメよ。耐えているだけていいの」
- 「あの~、お忙しいようでしたら」
- 「ちょっと待っててね。この電話直ぐ終るから」。王子様は、どこか遠くを見つめながら待ちます。
- 「耐えているだけ、だったっけ?『逃げちゃダメよ』は言ったかしら。言ったと思うけど、もう一度だけ言わせて、逃げちゃ絶対ダメ、後で後悔するから」
- 「お忙しいようなので、失礼します・・・」
- 「あらら、ちょっと待って!今直ぐ終るからぁ~」
失礼だったかもしれませんが、延々と電話が続きそうな気がした王子様でした。
ロックンローラーの星
聞いている人は誰も居ませんが、ノリノリです。
- 「待ってたゼ、ベイビー!好きな格好で聞いてくれ。ここから、突然バラードっぽくなるんだぜ、ベイビー!」
- 「ベイビーって僕のことですか?」
- 「あったりマエマエ、ここにいるのは君だけさ、ベイビー!」
- 「ちょっと気になることがあるんですけど、聞いてもいいですか」王子様は思い切って聞いてみました。
- 「Anything is OK♪」
- 「なんで髪に花を付けているんですか?」
- 「平和の象徴って奴さ。フラワー革命だよ。武器でなく、この花でLove&Peace!Oh、Baby!」
正直言って、よく分かりませんでした。釣りが好きそうな、ロックンローラーさんだと言うのは、分かりました。
自給自足の星
なんだか楽しそうな人です。どう見ても、これから釣りに行く格好です。
- 「自給自足はいいぞ。野菜を作って、たまには魚釣りだ」
- 「お金は必要ないんですか?」
- 「全く必要ない」
- 「竿を買うのにも、お金って必要じゃないですか?」
- 「答えは、ノー。自給自足だから。竹を取ってきて作るんだよ」
- 「糸も必要だし・・・」
- 「馬の尻尾の毛を少し頂いて、糸にすればいい。針がほしければ、鹿の角なんかがいいゾ」
- 「そうなんだ、自分で何でも出来るってことなんですね」
- 「良い事いうなァ、それだよ!キーワードはエコだな」
なんだか、やれば出来そうな気になってきた王子様でした。
秘密の星
大きな魚を釣ったようですが、険しい表情です。どこから何を切り出して行けば良いのか、王子様は戸惑っています。
- 「あの~・・・何という魚ですか?」
- 「声が、声がデカイ、もっと静かに」
- 「教えてやりたいが、教えられないんだ」
- 「こんな大きなお魚を僕も釣ってみたいんですが、どこで釣ったんですか?」
- 「大胆な、あまりにも大胆な質問だ!私も思わず声がデカくなってしまった。こりゃあ、いかんいかん」
- 「これって、噂に聞いたヤマメってお魚ですか?」
- 「そう、いかんいかん、教えられない・・・」
- 「さぞかし、いい引き味だったんでしょうね」
- 「そりゃあ君、この大きさだもん、引くなんてもんじゃ・・・おっと、いかんいかん」
言いたくても言ってはいけない事もあるのかも・・・そう感じた王子様でした。
えらいこっちゃさんの星
- 「お疲れ様でした」、ちょと大人ぶって王子様は、そう言ってみました。
- 「気のきいたことを言う小僧で、ござるなァ」
- 「どれぐらい辛かったんですか?」
- 「これ位、って答えになってないでござる」
いつも酔っぱらっている人ですが、頼りになりそうなので、聞いてみたかった事を聞いてみました。
- 「釣りで秘密ってあるんですか?」
- 「あるっちゃあるし、無いっちゃないでござる。釣りキチ三平に登場する魚紳さんは、こう言っていたな。『ポイントや仕掛けを秘密にする奴は、大嫌いだ』と」
- 「そうなんだ・・・」と言っては見たものの沈黙し、頭の中がグルグルと回り始めた王子様です。
- 「それで、えらいこっちゃさんは、どう思うんですか!」
- 「おお、なんだか詰め寄ってくる小僧だな。では、お答えしてしまいます。釣りに秘密なんてある△z@◆×。後は、自分で考えるで、ござる」
ではでは、これにて「釣りの王子様Ⅶ」は終わりです。またいつかどこかで・・・
先生こんにちは。
何か面白いストーリーですね。
「現実のようですが夢の中のような・・・。」
ロッカーの人が面白い。(笑)
自給自足の話は自分も興味があって調べた事があります。
「竿は竹」「糸は馬の尻尾」「針は鹿の角」「オモリは鉛」(鉛は昔から有ったから)だそうです・・・。鉄砲玉→ガン玉?でしょうか。しかし馬の尻尾でも竿の糸にするには短すぎるような・・・。
何本も結って使うと言う事なのでしょうか。
魚紳さんの台詞って、名言ですよね。「仕掛けやポイントを隠す奴が嫌い」確かこれで三平と勝負をしたことが。対等に勝負して
魚紳さんも釣りキチ少年を認めざるを得なくなったと言うか・・・。
釣り人が平等に魚が釣れる様に独り占めはしてはいけないって事ですよね。
青い3298さんへ
おはようございます
針と糸を使って釣ろうとした人って、凄いと思います。
網でとか、刺して捕まえるは分かるのですが、
釣るという発想が凄いです。
アユの友釣りを考え出した人も凄いです。
私も自分で書いていて、ロックンローラーが気に入っています。
先取りするおばさんも、けっして嫌いではありませんw
またいつか、その気になったら「八話」を書いてみます。
先生、またこんばんわ。
久しぶりですね〜♪
王子様…
相変わらずどのお話も気になるのですが、やはり釣りキチ三平ネタに反応しちゃいますww
いつもこの王子様には考えさせられます。
色んなメッセージが隠れています。
絵本って本当に深い作品が多いのですが、先生も負けてませんよ(^o^)v
いつも素敵な王子様、また次回作も楽しみにしております。
Heavyさんへ
おはようございます
1つでいいから、童話を書いてみたいと書き出した「釣りの王子様」ですが、
段々とシリーズものに、なってしまいました。
しかも、童話だか何だか、分からないワールドになって来たw
「星の王子様」の釣りバージョンを書いてみたかったのですが、
段々と別物になってしまった。
自分でも書いていて楽しいので、いつかまた、
その気になったら書いて行きます。
先生こんばんは。
そうそう。
皆さんがよく言ってる「釣りきち三平」
私ほとんど見た事ないです^^;
なので先生の星の王子様はオリジナルにしか見えません。
(どこが釣りきち三平?って感じです)
先生のこの物語をみていつも思うのは
「いろんな人が当然なんだよ」
って教えてくれるところです。
人によって考え方は違いますもんね。
また気が向いた時でいいので書いて下さい♪
P.S お問い合わせメールから3通ほど送ってますがどうでしょう?
7月13日と本日の朝の分は見れてますか?
せーじさんへ
おはようございます
メールの件ですが、すいません、見落としてました。
殆ど見ない携帯のメールかな?と、開いてみたりした。
「お問合せ」のメールだったのねえ。
今返信しました。届いたかな?
釣り人に限ったことではないのかもしれませんが、
それぞれの方がそれぞれ、これって当然だろうと思っています。
ん?と思ったり、そうかもしれない、と思ったりする王子様です。
おはようございます。
いつもながら色々な釣り人の星が出てきて楽しいです。
個人的には、先取りするおばさんが面白かったです。
「いくら優秀でも、忙しすぎる人はイザというときに役に立たない。」という典型のようでした。
竿をたくさん出せばたくさん釣れるとは限らない、ということにもつがるかもしれないなァと思いました。
芋焼酎さんへ
こんばんは
先取りするおばさん、少しウザイが基本的には、いい人です。
いざと言う時も、お喋りしてそうで頼りにならないかも知れません。
竿は全く、その通りですね。
釣れる時は、1本でも釣れる。
4本出しても、釣れない時は釣れませんね。