手漕ぎボートで怖かった事ベスト3

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手漕ぎボートです。全長3m程の小さな舟。これが、初めて海に浮かんでいる姿を見たときは、驚きでした。「へえ、あんなボートに乗り、海で釣りをする人が居るんだ!」。

今回は、自分がこのボートに乗り、「怖かった」思い出を3つばかり取り上げてみます。

その1「オールが折れた」

大津の海で、「中根」を呼ばれる岸からかなり離れたポイントで釣りをしていた。十分アジを釣って、さあ港まで引き上げると言うときだった。えい!と漕ぎ出したときに、左のオールがボキッ!と変な音を立てた。

携帯電話も持っていなかった時代だ。ボート屋さんに電話もままならず。心臓がバクバク言い出した。

程よい北東の風が吹いていたのが、何よりの救いだった。この風に乗っていけば、港の方に行ける。右のオールと、中ほどから宙ぶらりんになった左のオールを上手く操作すると、少しずつだが港の方へと近づいて行った。時間はかかったが、大津港内に入れたときは、ほっとした。

その2「大津・南西の風」

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岸から沖に向かって吹く風です。

弱い北風で安心して釣っていた。無風状態から、一気にボートの向きが逆になり、南西の強風が吹き出した。あわててアンカーを上げ、竿もたたんでいる間もなく、ボートを漕ぎ出す。濃いでも漕いでも、風景が変わらない。漕がないと沖へ沖へと流される。目いっぱい漕ぎ続けると、ほんのわずかだが前に進んでいく。

まだ港まではかなりの距離があるが、腕の筋肉はパンパンで、もう限界に近かった。どこかで作業をしていた方が見ていてくれたらしく、船外機の船が近づいてきた。「引っ張っていこうか」、速攻で「お願いします!」。

作業をしていた漁師さんに感謝感謝でした。

その3・「福浦・吹きおろしの西風」

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福浦です。湯河原方面の山から吹き降ろしてくる西風。これが怖い。

吹いてきそうだと感じて、1分も経たずに豹変する。全力で漕いでも前に進んでいかない。徐々に真鶴半島の磯際に押しやられていく。磯際に近づくと押し返しの三角波で、ますます漕げなくなる。磯に押し付けられないように、漕いで漕いで、1mずつでも浜を目指すしかない。もう限界だと何度か思ってから、また新たな力が出てくる。そして1m、1mと浜を目指して漕いだ。

共に海に出た仲間が、全員無事に戻ったのを確認できて、やっと安堵感に包まれた。

最後に・・・

小さな手漕ぎボートです。大きな海から見たら、枯葉が一枚浮いているようなもの。初めて海でボートに乗った頃は、港から離れるのが怖く、いつも港の近くで釣っていた。少しの風や波でも、「怖い怖い」と港内に戻った。

大事な初心だと、しっかりと心にとめ、これからも釣りを楽しんで行きたい。

コメント

  1. 腰痛持ち より:

    こんばんは。連続コメントです(笑)。

    いやいや先生、こんなもんじゃ済まないでしょう?
    福浦の吹き下ろしだけでも2回味わってる筈ですよ。

    かく言う私も福浦では吹き下ろしに2回あってます。
    先生と一緒の時でしたかね?手の皮がズル剥けになるまで漕ぎました。
    福浦ではその他にボートに穴が開いていたことが2回、釣ってる途中でぎっくり腰になって動けなくなったことが1回あります。

    大津では南西の風で戻れなくなったのが2回(大津はレスキューがあるので助かりました)、北風でジグザグ漕ぎをしたのが1回、釣ってる途中で雷雨になったのが1回(これがBEST1かな?)、潰瘍で出血したのが1回、ボートに穴が開いていたのが1回。

    伊勢町でもボートに穴が開いていたのが1回あります。
    この時はあまりにもひどかったので、すぐに戻って交換してもらいました。

    いや~こんだけひどい目にあってるのに決して止めようとは思わない。
    アフォ~ですね!(笑)

    • 釣りキチ先生 より:

      腰さんへ

      おはようございます

      さすがボートに長く乗っている腰痛もちさん。
      私の2倍は、怖い目にあわれていますね。

      福浦では仰るとおりで、吹き降ろしに2回あっております。
      どちらも一緒に釣っていたときです。
      大津の南西の風は、3回ほどですかね。
      何故かオールが一本なくなってしまったというのもあります(笑)

      いろいろな目にあいながら、それでもボート釣りをする。
      確かに、アフォ~ですね(笑)

  2. Norizou より:

    先生、こんばんわ。

    怖い思い…
    私は今のところたった一度です。

    大津です。
    港の目の前で漕いでも漕いでも港に入れなかった…
    心の師からの一言が我々を救いました。

    港までも本当に漕いでも中々前に進まず、辛い帰港でした…^^;

    あの時だけは本気でどうして良いか分かりませんでした…

    • 釣りキチ先生 より:

      Norizouさんへ

      おはようございます

      思い出しますね。
      伝説の漕いでも漕いでも港に入れない事件。
      笑い事でなく、漕いでも進まないボートって、
      本人たちにとっては、恐怖ですよね。

      分かってみればなんだですが、
      パニクッているときは、気づかないものですね。

  3. スキューバ より:

    先生、こんちゃ❗

    怖い思い、シマシタシマシタ。

    ボート初陣。

    皆さんのブログを見ていると、初心者でもやれそうだと軽く考えてしまう。

    大間違いです❗転覆はいろんな方に迷惑かけますしね。

    安全第一船外機第一

    • 釣りキチ先生 より:

      スキューバさんへ

      おはようございます

      幸いにも私は、まだ転覆の経験はありませんが、
      実際転覆したら、と思うと恐ろしいですね。
      風と違った恐怖感に襲われると思います。

      仰るとおりで、安全第一ですね。
      手漕ぎボートと比べたら、船外機のほうが安心感がありますね。
      船外機の場合、エンジンが動かなかったらどうしようと言う、
      不安はいつも感じますが・・・

      スキューバさんが船外機派になった訳が、
      あらためてはっきりと分かりました。

  4. AP より:

    こんばんは!

    先生は絵も上手ですね!
    冒頭の扉絵に思わず見いってしまいました。

    ところで、ボート釣りでの怖い話、有り難うございます。
    あまり想像したくないですが、自然相手の遊びは判断を間違えると死にます。
    その意味で、今回のような啓蒙は大切なことだと思います。

    私も怖い目に会いました。
    アンカーロープを手繰るためにボートの前に重心を移動した瞬間に高波を頭から被りました。

    ボートは傾き、1/3位水が入った状態になりました。もう一発高波を食らえば沈むと思い、重心を真ん中に移してロープを手繰り、アンカーを引き上げ急いで浜に戻ったのを思い出します。
    怖かったですね(*_*)

    風に関しては臆病者なので沖に払い出す時は尻に帆かけて逃げてます。
    それでも悪い意味で強風に馴れてしまい、引き上げるのが遅くなったことがあり反省しきりです。

    もうすぐ水温15℃を切り始める季節、私も改めて初心に戻りたいと思います。

    • 釣りキチ先生 より:

      APさんへ

      おはようございます

      私も高波をかぶって、ボートに海水が入ったはありますが、
      三分の一はないですね。
      これだけ入ったら、怖かったでしょうね。
      かき出すものがあったら、速攻でかき出したい。

      岸からかなり遠くまで行くAPさんですから、
      強風にも十分気をつけてくださいませ。

      手漕ぎボート師の心得は、まずは安全第一ですね。

  5. せーじ より:

    先生こんばんは。

    私はそこまで怖い思いしてないかもですね。
    1度だけ大津で南風が強い時がありました。

    一番嫌だったのは、乗り合いで移動中にビシが海に落ちちゃって
    凄い勢いでリールから糸が出てパニックになった時かなー。
    回転するスプールに親指で止めようとして火傷しました(T_T)
    無知が一番怖いです。

    安全第一で楽しみたいですね。

    • 釣りキチ先生 より:

      せーじさんへ

      おはようございます

      怖い思いをしてないのは、ラッキーです。
      手漕ぎボートで釣りをしていると、
      一度や二度は怖い思いをするもんです。

      乗合船の移動の際に、ビシが落ちたら、
      船の勢いもあいまって、かなりのスピードで落ちていきますよね。
      とっさに指で止めようとしたのでしょうが、
      確かに危険ですよね。

      無知が一番怖い。同感です。

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